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六章 アメリカ人を魅了した日本のわざ ― 刀剣と染織 東京展のみ

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明治時代、海外に渡った工芸品は多くの人々を魅了しました。これを可能にしたのは、日本の工芸が技術的に高度な発達を遂げていたからです。ビゲローらが収集した刀剣と染織作品を取り上げ、彼らを感嘆させた精緻なわざの美をご覧いただきます。 

※ 法量単位はセンチメートル

短刀 銘 大和尻懸則長四十八作之/文保三年己未三月十日 たんとうめいやまとしっかけのりながよんじゅうはちこれをつくるぶんぽさんねんき びさんがつとおか

短刀 銘 大和尻懸則長四十八作之/文保三年己未三月十日 尻懸則長[しっかけのりなが]作 / 1口 / 刃長22.9 内反 / 鎌倉時代・文保3年(1319) たんとうめいやまとしっかけのりながよんじゅうはちこれをつくるぶんぽさんねんき びさんがつとおか

 ボストン美術館には500口を超える刀剣があり、資料的価値の高い作品も多い。この短刀もそうした一口で、銘より大和・尻懸派の則長が、文保3年(1319)の48歳のときに制作したことが分かる。

梨地秋草蒔絵合口 なしじあきくさまきえのあいくち

梨地秋草蒔絵合口 紫原寿良[しばはらとしよし]作 / 1口 / 総長44.3 / 江戸~明治時代・19世紀 なしじあきくさまきえのあいくち

 豪華な作風を示す拵[こしらえ](外装)で、鞘は梨地で秋草の蒔絵とし、金具は金無垢で、卓越した彫金技法によって秋草をあらわしている。明治時代には、こうした精緻な技巧を凝らした工芸作品が海外の人々を魅了した。

小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様 こそでしろりんずじまつばうめからくさたけわもよう

初公開

小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様 綸子(絹)地に絞り・刺繡・型染 / 丈161.8 裄63.9 / 江戸時代・18世紀 こそでしろりんずじまつばうめからくさたけわもよう

 伝存例が少ない元禄小袖。伝統的な吉祥模様である松竹梅を大きな松葉・竹輪・梅唐草といった意匠で個性的に表わす。摺匹田[すりびった](型紙による鹿の子模様)を多用して吉祥文を中心とする王朝風の模様を表わしたデザインは、元禄期(1688~1704)の特徴である。

唐織 紅地流水芦菊槌車模様 からおりべにじりゅうすいあしきくつちぐるまもよう

初公開

唐織 紅地流水芦菊槌車模様 絹糸・金糸による唐織 / 丈142.9 裄70.0 / 江戸時代・18世紀 からおりべにじりゅうすいあしきくつちぐるまもよう

 まるで刺繍を施したかのように絹糸のつやを生かし、のびのびとした絵画的な模様は、江戸時代中期における最高の技術を駆使して織られた唐織であることがうかがえる。まさに諸大名家が式楽である能に入れ込んだ江戸時代中期の特注品といえるであろう。

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